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フリーランスが自動化ツールを選ぶとき、n8nとMakeで迷うことがある。「n8nはセルフホストで無料」という情報を見て、試してみたことがある。Dockerのインストールから始めて、SSL証明書の設定を調べ、VPSのポートを開けて、気づいたら6時間経っていた。
ようやく動いたが、2週間でVPSのメモリ不足でn8nが3回落ちた。
一方でMakeは、アカウントを作って15分後には最初のシナリオが動いていた。
「自動化ツール フリーランス」で検索するとn8nとMakeの比較記事がたくさん出てくるが、「フリーランスのあなたはどちら」という具体的な答えを出しているものが少ない。この記事で整理する。
この記事でわかること:
- フリーランスのタイプ別(ライター・マーケター・エンジニア)でどちらが向くか
- n8nのセルフホストが「コスト面で本当に得か」の現実的な計算
- 迷っている人への実践的な結論

フリーランスが自動化ツールを選ぶとき「機能比較」で判断しない方がいい理由
多くの比較記事はスペック表で終わる。
| 項目 | n8n | Make |
|---|---|---|
| 無料プラン | セルフホストは無料 | 月1,000オペレーション |
| 最安有料プラン | €24/月(クラウドStarter) | $9/月(Core) |
| 課金モデル | ワークフロー実行数(2026年4月時点) | オペレーション数(モジュール実行ごと) |
| 対応アプリ数 | 400以上 | 3,000以上 |
| UI | ビジュアル・ノード接続型 | ビジュアル・ドラッグ&ドロップ |
| セルフホスト | 可能(Community Edition) | 不可 |
(料金は2026年4月時点。詳細はMake・n8n各公式サイトで確認してほしい。日本語の比較情報としてITreviewのMake料金ページも参考になる)
でも、この表で「自分はどちらか」は判断できない。重要なのはスペックより「自分がどのタイプのフリーランスか」だ。
フリーランスのタイプ別:n8nが向いているケース
コードが書けて、できるだけコストを下げたい人
n8nは「コードが書ける人」にとってかなり強力なツールだ。JavaScriptやPythonのコードをワークフロー内に直接書けるので、Make では実現が難しい複雑な処理も組める。
セルフホストが選択肢に入るのも強みだ。Hetznerなどの格安VPS(月$4〜$5程度)にDockerでn8nを動かせば、ワークフローの実行数制限なしで使える。
ただし正直に言う。「n8nはセルフホストで無料」は半分しか正しくない。
VPS代(月$4〜$5)に加えて、設定・メンテナンスの時間コストがかかる。初期設定に数時間、月1〜2回は何かしら確認や対応が発生する。フリーランスの時給が3,000円だとすると、月2時間のメンテナンスで6,000円のコストになる。Makeの月9ドル(約1,400円)を大幅に上回る。
エンジニアで自宅にサーバーがある人や、インフラの勉強も兼ねている人にはn8nのセルフホストは合理的だ。でも「コストを下げたい」だけの理由でn8nを選ぶと、かえって割高になるケースがある。n8nの具体的な料金体系についてはWEELのn8n解説記事が日本語でまとめている。
自分のデータをクラウドに置きたくない人
契約先のNDA絡みで、データをサードパーティのサーバーに渡したくないケースがある。
n8nのセルフホストなら、自分が管理するサーバー上でワークフローが動く。メールの本文や顧客情報が外部のサービスに送信されることがない(n8nのクラウド版は別)。
セキュリティ要件が厳しいクライアントと仕事をしているフリーランスには、このアドバンテージは大きい。
複雑な条件分岐・ループが必要な自動化をしたい人
「単純なAからBへの転送」ではなく、複数の条件でデータを振り分けて、それぞれに異なる処理をして、エラーの場合は特定のフォルダに保存する、というような複雑なワークフローはn8nの方が柔軟に組める。
コードで書けることはほぼ全て自動化できる、という感覚がある。
フリーランスのタイプ別:Makeが向いているケース
とにかくすぐ使い始めたい・ノンコードで完結させたい人
Makeは本当にすぐ動く。アカウント作成から最初のシナリオ完成まで、慣れれば15分。
UIがビジュアルで直感的なので「コードを書かずに自動化したい」という人には断然合っている。n8nも視覚的ではあるが、Makeの方がフロー設計に馴染みやすい。
Webライターやマーケターで「自動化自体は詳しくないが、日常の繰り返し作業を少し楽にしたい」という人はMakeから始めるのが正解だと思う。
Google系サービスとの連携が中心の人
フリーランスの多くがGmail・Google カレンダー・スプレッドシートを使っている。MakeはGoogle系サービスとの連携が充実していて、接続も比較的スムーズだ。
Gmail受信 → スプレッドシート転記、カレンダー予定 → Slack通知、フォーム回答 → メール送信といったシナリオは、Makeで設定するのが一番手が少ない。
月1,000オペレーション以内で収まりそうな人
無料プランでも使えるかどうかの判断材料として、オペレーション数は重要だ。
1日1〜2回のシナリオ実行で、モジュール数が2〜3つ程度なら、月1,000オペレーションで十分収まることが多い。試す段階ではお金をかけたくない人は、まず無料で使ってみて判断するのが合理的だ。
実際に両方使ってみてわかったこと
n8nのセルフホストは「簡単ではない」
前述した通り、DockerでVPSにn8nをセットアップするのに最初の日は6時間かかった。
手順自体はドキュメントに書いてある。ただ、Dockerに慣れていないと「コンテナが起動しない」「ポートが開いていない」「SSLの設定でつまずく」という問題が連鎖する。エンジニアには大した話ではないが、Webマーケター出身の僕には結構なハードルだった。
案外、「n8nを使いこなせている」と言える状態になるまで1〜2週間かかった。
Makeの無料プランは意外と早く詰まる
Makeの無料プランは月1,000オペレーションで、シナリオ2本まで同時に動かせる。
「最初はこれで十分」と思って使い始めたが、Gmail連携シナリオをフィルタなしで動かしたら3日で上限に達した。無料プランの詳しい話は別記事に書いているので参照してほしい。
Makeで本腰を入れて使うなら、早い段階でCore(月9ドル)への移行を前提にしておく方が現実的だ。

まとめ:迷ったらMakeから始めて、不満が出たらn8nに乗り換える
結論を明確に書く。
Webライター・マーケター(コーディング不問)→ Make
すぐ動く。UIが直感的。Google系との連携が安定している。月9ドルで実務の自動化が回せる。
エンジニア・インフラに詳しいフリーランス → n8n(セルフホスト)
コードで柔軟な処理が書ける。データを自分のサーバーで管理できる。実行数に上限がない。
どちらか迷っている → Makeから始める
Makeを3ヶ月使って「もっと複雑なことがしたい」「費用がかさんできた」と感じたらn8nへの移行を検討する。逆はしにくい(n8nに慣れた後にMakeに乗り換える理由があまりない)。
「n8nを使いこなしたい」というモチベーションがある人は最初からn8nでいい。でもそれ以外の人には、まずMakeを試すことを勧める。
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