freeeとマネーフォワードどちらを選ぶか:フリーランスが両方自腹で使い比べた

両方使った。どちらも1年以上。

で、今どちらを使っているかというと——freeeだ。理由は後で書く。

世の中の「freee vs マネーフォワード比較」記事の多くは、公式サイトの情報を並べただけで「どちらが向いているかは人それぞれです」で終わっている。

使ったことがある人間として、そうじゃない比較を書く。どちらが良くてどちらが悪いという話ではなく、「こういう人はfreeeで、こういう人はマネーフォワード」という判断基準を具体的に出す。

この記事でわかること

  • freeeとマネーフォワードを実際に使い比べてわかった使い心地の具体的な差
  • 料金・操作性・確定申告・インボイス対応の比較
  • 著者が最終的にどちらを選んだか、その理由

両方使ってわかったこと:この2つはそもそも「向いている人」が違う

スペック表を並べる前に、一番大事なことを書いておく。

freeeとマネーフォワードは「設計思想が違う」。

freee会計は「会計の知識がなくても使える」ことを徹底的に重視した設計。マネーフォワード クラウドは「会計の効率化」を重視した設計。これがすべての差の根本にある。

だから「どっちが機能が多いか」という比較にあまり意味はない。「自分がどちらの設計思想に合っているか」で選ぶのが正解だ。

操作性の比較:初心者にはfreee、会計に慣れた人にはマネーフォワード

freeeの「家計簿感覚」は本当か

「freeeは家計簿感覚で使える」というキャッチコピーを信じて最初に使い始めた。

実際に使ってみると、確定申告のフロー全体を「質問に答える形式」でガイドしてくれる。「この取引は売上ですか?経費ですか?」という質問形式で進められるので、簿記の知識がなくても「とりあえず使える」状態になれる。

特に確定申告の書類作成は、freeeのガイドに沿って進めたら初回でも2日で終わった。「今どのステップにいるか」が常に把握できるのが助かった。

ただ、「家計簿感覚」は少し盛っている気はした。完全に会計の概念なしで使えるわけじゃない。「売上」「経費」「資産」「負債」くらいの理解はあった方がスムーズだ。freeeが優しいのは「複式簿記の形式」を意識しなくていい点で、完全に無知でも平気、とまでは言えない。

マネーフォワードは簿記の概念がわかっていないと詰まる

マネーフォワードに切り替えたとき、最初の1ヶ月は混乱した。

freeeで「売上です」と選ぶだけだった処理が、マネーフォワードでは「借方:普通預金、貸方:売上高」というような仕訳の概念で処理する感覚に近い。AIが自動提案してくれるが、「提案が正しいかどうかを判断する知識」がないと、ただ承認するだけになる。

しかも、freeeのような「確定申告ガイド」が薄い。帳簿が整っていれば書類作成は早いが、「帳簿を整えるプロセス」のサポートがfreeeより少ない。

自動で入金の明細が取り込まれたときに「これをどう仕訳すればいいか」がわからずに止まる場面が、最初の数ヶ月は何度もあった。

どちらがUI的に使いやすいか

UIのデザインはどちらも洗練されている。ただ、freeeの方が「次に何をすればいいか」が画面から読み取りやすい設計だと感じた。

マネーフォワードは「帳簿データを管理する」という観点でのUI設計で、「会計作業のフローをガイドする」という観点ではfreeeに軍配が上がる。

料金の比較:年払い前提で考えると差は小さくない

freeeのスタンダードとマネーフォワードのパーソナルを比べると

個人事業主が実用的に使えるプランを比較する(2026年4月時点、年払いの月額換算)。

比較項目 freee スタンダード マネーフォワード パーソナル
月額(年払い) 約1,980円 1,280円
年額 約23,760円 15,360円
消費税申告 対応 対応
確定申告ガイド 充実 限定的
金融機関連携数 1,043社以上 2,300以上

年間で約8,400円の差がある。これは無視できない差だ。

ただし、最安プランで比較すると話が変わる。freeeのスターター(約980円/月)はインボイス対応(消費税申告)ができない。マネーフォワードのミニプラン(900円/月)も消費税申告は非対応。

インボイス登録をしているフリーランスなら、どちらも上位プランが必要になる。「最安プランで比べて安い」という評価はあまり意味がない。

消費税申告が必要かどうかでプラン選択が変わる

インボイス登録をした課税事業者であれば、消費税申告が必要になる。その場合、両者とも「上位プラン」が必要だ。

消費税申告込みで比較すると、freeeスタンダードが年間約23,760円、マネーフォワードパーソナルが年間15,360円。差は約8,400円。

年間8,400円の差をどう評価するかは人によるが、「確定申告のときに詰まらないこと」の価値と天秤にかけて判断するといい。

確定申告のしやすさ比較

freeeはガイドがあって詰まりにくかった

確定申告をfreeeでやったとき、「ここをこうして、次にこれをやって」というガイドに沿って進められた。

初回の確定申告を2日で終わらせられたのは、ガイドの存在が大きい。「自分が今どのステップにいるか」が常に把握できる。電子申告(e-Tax)との連携もスムーズだった。

会計を本業としていないフリーランスにとって、確定申告は「年1回の特殊作業」だ。毎年やり方を思い出しながらやる必要がある中で、ガイドがある安心感は大きい。

マネーフォワードは帳簿が整っていれば速い

マネーフォワードで確定申告をしたとき、同じ作業に4日かかった。

これは「マネーフォワードが遅い」というより「僕がマネーフォワードの帳簿管理に慣れていなかった」という面が大きい。日々の帳簿がきちんと整理されていれば、確定申告の書類作成自体はスピーディにできる。

会計の習熟者なら、マネーフォワードの方が確定申告が速い可能性はある。帳簿データが正確に入力されていれば、書類生成は早い。

銀行連携の差:これはマネーフォワードの方が上

銀行連携の広さという意味では、マネーフォワードが上だと感じた。

freeeは1,043社以上、マネーフォワードは2,300以上との公式発表がある(いずれも2026年4月時点の情報)。実際に使ってみた感覚でも、マネーフォワードの方が連携対象が広かった。

ただ、多くのフリーランスが使う銀行(メガバンク・楽天・ゆうちょ)やカード(楽天・三井住友)は、どちらも対応している。日常的に使う口座が特殊でなければ、連携数の差が実害になるケースは少ないと思う。

それよりも「連携後の使い勝手」の差の方が、実感として大きかった。マネーフォワードは明細の自動取込後に「仕訳の判断」をユーザーに委ねる設計。freeeは「おすすめの分類」を提案しながら確認する設計。どちらが楽かは、会計知識の有無による。

サポート体制:困ったときに頼れるか

freeeはチャットサポートが充実していて、会計の「考え方」レベルの質問にも対応してくれた。

マネーフォワードのサポートも丁寧だが、どちらかというと「ツールの操作方法」に寄ったサポートだと感じた。「この仕訳はどうすればいいか」という会計の判断に関わる質問には、「税理士に確認してください」と返ってくることがある。

freeeは「会計の知識がない人でも使えること」を前提にしているため、「この操作が会計上どういう意味か」まで教えてくれる場面があった。この差は初心者には大きい。

ただ、サポートの質はプランやタイミングによって変わることもある。あくまで個人の体験としての評価だ。

実際に両方で確定申告してみてわかったこと

freeeでの初回確定申告は、ガイドに沿って進めたら2日で終わった。

マネーフォワードでの確定申告は4日かかった。理由は「帳簿の整理が不十分だったから」だ。帳簿が整っていればマネーフォワードでも速いはずだが、初年度は帳簿管理の習慣がまだできていなかった。

結果的に、どちらを使っても確定申告は「日々の帳簿管理の質」が仕上がりを決めると感じた。会計ソフトの差より、帳簿の習慣の差の方が影響が大きい。

ただし「帳簿管理の習慣を作るサポート」という観点では、freeeの方が優れていた。マネーフォワードは「すでに習慣がある人」が使うと真価を発揮する設計だと思う。

インボイス対応の違い

freeeのインボイス対応については別記事に書いた。[INTERNAL_LINK_PENDING: freee-invoice | freeeのインボイス設定手順はこちら]

ここでは違いだけまとめる。

比較項目 freee マネーフォワード
インボイス対応プラン スタンダード以上 パーソナル以上
設定手順の直感度 やや直感的 やや複雑
帳票テンプレートの切り替え 必要 必要

どちらも上位プランでインボイス対応が可能。設定の手順はfreeeの方が少し直感的だったが、マネーフォワードでも難しいというほどではない。

freeeとマネーフォワードを使い比べてわかった「見えにくい差」

スペック表だけではわからない差がいくつかある。使い比べて気づいたことをまとめておく。

ヘルプドキュメントの充実度
freeeのヘルプは「会計の考え方を教える」視点で書かれていることが多い。マネーフォワードのヘルプは「この操作の手順はこうです」という形式が多い。初心者の「なぜこの処理が必要なのか」という疑問にはfreeeのヘルプの方が答えやすい。

スマホアプリの使い勝手
どちらもスマホアプリがある。領収書の撮影・簡単な帳簿確認はどちらも可能だ。個人的にはfreeeのスマホアプリの方が直感的に使えた感覚がある。ただこれは主観なので、両方試してみるのが一番いい。

データのエクスポート
税理士に帳簿データを渡す場合、どちらもCSVや各種形式でのエクスポートに対応している。税理士によっては「どちらでも対応できる」という場合が多いが、事前に確認しておくと安心だ。

freeeの「感情設計」の差
freeeには「今月の経費が先月より増えました」のような通知や、帳簿付けを「完了」させると達成感を感じるUI設計がある(一部のユーザーには不評だが)。

マネーフォワードはそういった「感情的なフィードバック」が少ない。データを見せるだけで、判断はユーザーに任せる設計だ。「無駄な演出は要らない、データだけ見たい」という人にはマネーフォワードが向いている。

結局どちらを選んだか、その理由

今はfreeeを使っている。

理由はシンプルだ。確定申告のガイドが手厚いこと。これだけで判断した。

年間8,400円くらいの差は、「確定申告のときに詰まらないこと」の価値と比べると、僕には安い判断だった。フリーランスにとって確定申告は「やり直しが効かない」作業だから、ミスが少ない方を選ぶのが得策だと判断した。

マネーフォワードが向いていないとは思っていない。簿記の知識があれば、コスト面でも機能面でもマネーフォワードは優秀だ。ただ僕には「簿記を改めて学ぶコスト」の方が、料金差よりも高くついた。

案外、「どちらの設計思想が自分に合っているか」が最終的な判断基準になる。

まとめ:判断基準はシンプルにこれだけ

freeeとマネーフォワード、どちらにするかは以下の1点で判断すると迷わない。

簿記の基礎知識があるか、ないか。

  • ない → freee
  • ある(簿記3級程度) → マネーフォワード

料金を重視するならマネーフォワード(年間約8,400円安い)、確定申告のサポートを重視するならfreee、という目安でもいい。

どちらも無料トライアルがある(freeeは30日間、マネーフォワードは1ヶ月)。freee公式マネーフォワード クラウド公式で実際の操作感を確認してから決めるのが、一番正直な選び方だと思う。


合わせて読みたい

[INTERNAL_LINK_PENDING: freee-freelance-setup | freeeの初期設定で詰まった話]

[INTERNAL_LINK_PENDING: freee-tax-return | freeeで初めての確定申告をした話]

[INTERNAL_LINK_PENDING: moneyforward-cloud-review | マネーフォワードをフリーランス初年度に使った話]

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