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ChatGPT 議事録要約を使い始めて3ヶ月、最初の1ヶ月は正直ほとんど使えなかった。
「会議メモを貼ればそれっぽい議事録ができる」と思っていたんだけど、実際に試すと前半の内容だけ詳しく要約されて後半がざっくりとした箇条書きになっていたり、発言の文脈が飛んでいたり。「これ、自分で書いた方が早い」と思って2週間ほど放置した。
その後、プロンプトの書き方を変えてからは話が変わった。この記事では、僕が試行錯誤してたどり着いたプロンプトの書き方と、実際に使ったプロンプト例を紹介する。それと、「やってみてわかった限界」もそのまま書く。
この記事でわかること:
- ChatGPT の議事録要約がうまくいく条件とうまくいかない条件
- 会議の種類別にコピペして使えるプロンプト例3種
- 長い会議メモを渡すときに気をつけること

- ChatGPT に会議メモを貼り付ければ議事録になる、は半分本当
- 議事録要約に使うプロンプトの基本構造
- プロンプトを改善するときに意識した5つのこと
- コピペして使えるプロンプト例3種
- プロンプトを業種・職種別にカスタマイズするときのヒント
- ChatGPT 議事録要約で実際に困ったこと
- ChatGPT 議事録に使える「追加プロンプト」テクニック
- Otter.ai や NotebookLM と組み合わせる使い方
- ChatGPT の議事録要約と他のAIツールを比較してみた
- 議事録の品質を上げるための「会議メモの取り方」
- ChatGPT で議事録を作る際のセキュリティ・プライバシー上の注意点
- ChatGPT 議事録要約を3ヶ月使った結果と、今の使い方
- 「ChatGPT 議事録、試してみたけどうまくいかなかった」という人へ
- よくある質問と答え
- まとめ:議事録要約で ChatGPT が得意なことと苦手なこと
- ChatGPT 議事録要約を継続して使うために:つまずきポイントと対処法
ChatGPT に会議メモを貼り付ければ議事録になる、は半分本当
フリーランスになってから、週に3〜4回は何かしらのオンライン打ち合わせがある。クライアントとの定例、案件の進捗確認、新規の相談、チームMTGと数えるとけっこう多い。
毎回自分で議事録を書いていたころは、30分の打ち合わせに対して20〜30分かけて議事録を作っていた。内容を思い出しながら構造を整えるのが地味にしんどい作業で、打ち合わせが立て込む時期はこれだけで一日のかなりの時間を使っていた。
ChatGPT に会議メモを貼り付けると議事録になる、というのを聞いたのは去年の秋ごろ。「そんな簡単なの」と思って試した結果は、まあ、半分は本当だった。
うまくいく場合とそうでない場合の違い
うまくいったケース:
- 会議中にある程度まとまった文章でメモを取っていた場合
- 打ち合わせが1時間以内で内容が絞られている場合
- 「決定事項」「宿題」「次回確認事項」が明確に存在する会議
うまくいかなかったケース:
- 箇条書きの短いメモしか取っていなかった場合(ChatGPT が文脈を補完できない)
- 1.5〜2時間の長い会議をそのまま一括で渡した場合
- 議論が行ったり来たりして結論が途中にある会議
- 専門用語が多い技術的な会議
一番困ったのは「長い会議メモをそのまま渡す」ケース。あとで詳しく書くが、これはかなり質が落ちる。短い打ち合わせに対しては効果が高くて、長い会議に対しては「なんか使えない」という印象になる。両者を同じ期待値で使おうとするのが間違いだった。
議事録要約に使うプロンプトの基本構造
議事録要約の品質が劇的に変わった転機は、プロンプトの書き方を変えたことだった。
最初は「以下の会議メモを議事録にまとめてください」だけで渡していた。これがよくない。デフォルトでは「何を作りたいか」が明確でないと、AIが自分が「よさそう」と判断した形式で出力してくる。で、僕が期待していた形式と合わないことが多い。
「何を出力してほしいか」を最初に書く
プロンプトの冒頭に「何を作りたいか」を書く。これだけで出力の質が変わる。シンプルなことだが効果は大きい。
悪いプロンプト:
以下の会議メモを議事録にまとめてください。
[メモ]
改善したプロンプト:
以下の会議メモから議事録を作成してください。
出力形式:
1. 会議概要(日時・参加者・目的)
2. 決定事項(箇条書き)
3. アクションアイテム(担当者・期限付き)
4. 次回確認事項
[メモ]
後者の方が格段に使いやすい。「決定事項」と「アクションアイテム」を分けて出力させるのが特に重要で、これが混ざるとあとでとても読みにくくなる。
出力フォーマットを指定する(表形式 vs 箇条書き)
アクションアイテムは表形式で出力させると、後でそのままSlackやNotionに貼れて使いやすい。
アクションアイテムは以下の表形式で出力してください:
| タスク | 担当者 | 期限 |
|---|---|---|
ただ、出力がMarkdown記法になっていることが多く、そのままGmailやチャットツールにコピーすると書式が崩れる。「Markdown形式不要、プレーンテキストで」と追加するか、出力後に自分でテキストに変換する必要がある。これは地味に面倒だった。
一方で、Notionなどのツールに貼るなら Markdown が便利なのでそのままでいい。貼り先に合わせて使い分けを決めておくと楽になる。
会議の種類ごとにプロンプトを変える理由
定例会議と新規案件の打ち合わせでは、議事録に必要な情報が違う。
定例会議で必要なのは「進捗・ブロッカー・次回アクション」。一方で新規案件の打ち合わせでは「背景・要件・次ステップ」が重要になる。同じプロンプトで全部処理しようとすると、どちらに対しても中途半端な議事録が出てくる。
少し手間だが、会議の種類ごとにプロンプトのテンプレートを分けておくと、出力品質が安定する。
プロンプトを改善するときに意識した5つのこと
プロンプトを試行錯誤している中で、「これを入れると品質が変わる」と感じた要素を5つ整理しておく。
1. 役割を最初に与える
「あなたは〜です」という形でChatGPT に役割を与えると、出力のトーンが安定する。
「あなたは業務効率化の専門家です」「あなたはプロジェクトマネジメントの経験豊富なアシスタントです」という前置きを入れると、議事録のフォーマットや文体が会議の文脈に合ってくる。入れなくてもそれなりに動くが、入れた方が一貫性が出る。
ただ、「あなたは世界最高の議事録作成エキスパートです」のような大げさな役割定義は効果が薄い。「業務に近い役割」の方が結果が良かった。
2. 出力形式を見出しレベルで細かく指定する
「要約してください」だけだと「自分が見やすい形式」で出力してくる。これが毎回違ったりする。
Markdown の見出し(##、###)を使って出力形式を指定すると、毎回同じ構造で出てくるようになる。最初に時間をかけて自分が欲しい形式のひな形を書いておき、それをプロンプトに入れる。
## 出力形式
### 1. 会議概要
(1〜2行で)
### 2. 決定事項
- 箇条書き
### 3. アクションアイテム
| タスク | 担当者 | 期限 |
|---|---|---|
### 4. 次回確認事項
この形式を自分で一度作ってしまえば、あとは毎回コピペするだけでいい。
3. 「何を含めて、何を含めないか」を明示する
プロンプトに「〜は含めないでください」という除外指示を入れると、不要な情報が削ぎ落とされて議事録が読みやすくなる。
よく使う除外指示:
- 「雑談・余談は除外してください」
- 「発言者の名前は議事録に含めないでください」
- 「決定していない仮説・アイデア段階のものは “検討中” と明記してください」
特に最後の「検討中」のラベリングは便利で、「決定事項」として書かれるべきでないものがうまく分類されるようになった。
4. 不明点を報告させる
「不明点や情報が足りない箇所があれば、要確認として末尾にリストアップしてください」という指示を加えると、「確認できなかった情報」を報告してくれるようになる。
これがあると、議事録の信頼性が上がる。自分で読んでいて「あれ、この部分のアクション担当者は誰だっけ」と思っていた箇所が、自動で「要確認」として抽出されてくる。
5. 言葉の粒度を統一させる
「各項目は1文〜2文で書いてください」「1文は40字以内を目安にしてください」のような長さの指定を入れると、出力のばらつきが減る。
指定しないと、あるセクションは箇条書き1行だったり、別のセクションは段落で書かれていたりする。粒度がバラバラだと読みにくい。
この5つを全部入れたプロンプトはそれなりの長さになるが、テンプレートとして保存しておけば毎回使い回せる。
コピペして使えるプロンプト例3種
実際に僕が使っているプロンプトを公開する。業務内容に合わせて中身は変えてほしい。
定例会議・週次MTG向け
あなたは業務効率化のサポートをするアシスタントです。
以下の定例会議のメモから、議事録を作成してください。
## 出力形式
### 1. 会議基本情報
日時:
参加者:
目的:
### 2. 各議題の進捗まとめ
(議題ごとに1〜3行で要約)
### 3. 決定事項
- (箇条書き)
### 4. アクションアイテム
| タスク | 担当者 | 期限 |
|---|---|---|
### 5. 次回確認事項
- (箇条書き)
## 会議メモ
[ここに会議メモを貼り付け]
## 補足指示
- 1文は40字以内を目安にする
- 専門用語はメモの表記をそのまま使う
- 不明点があれば「要確認」として末尾に記載する
このプロンプトで出てくるものをそのままNotionに貼って保存している。完成度は7〜8割で、残りは自分で修正する。「完全自動化」は期待しない方が現実的で、「8割の下書きを作ってくれる道具」として使うとちょうどいい。
プロジェクト進捗確認向け
以下のプロジェクト進捗会議のメモから、ステータスレポートを作成してください。
## 出力形式
### プロジェクト概要
プロジェクト名:
報告日:
### 各タスクのステータス
| タスク | 担当者 | 状態 | コメント |
|---|---|---|---|
(「状態」は「完了」「進行中」「未着手」「ブロック中」から選ぶ)
### ブロッカー・課題
- (箇条書き)
### 今週の完了事項
- (箇条書き)
### 来週の予定
- (箇条書き)
## 会議メモ
[ここにメモを貼り付け]
進捗会議の場合、ブロッカーの抽出が特に重要で、「ブロッカー・課題」を別出しにしているのがポイント。メモの中に散らばっているブロッカー情報を、うまく抽出してまとめてくれる。
クライアントとの打ち合わせ向け
以下はクライアントとの打ち合わせメモです。
議事録と次回アクションをまとめてください。
## 出力形式
### 打ち合わせ概要
日時・参加者・目的を1〜2行で
### 確認・決定事項
(クライアントが確認した事項、双方で合意した内容)
### クライアントからの要望・懸念
(今回の打ち合わせで出てきた要望や懸念点)
### 弊社側のアクションアイテム
| タスク | 期限 |
|---|---|
### クライアント側の確認事項
| 事項 | 期限 |
|---|---|
### 次回打ち合わせ
日時・議題案
## 注意
- 確定していない内容は「要確認」と記載する
- 会議メモ内の発言者名は議事録には含めない
## 打ち合わせメモ
[ここにメモを貼り付け]
クライアントとの打ち合わせ後は、この形式で議事録をまとめてクライアントに送ることが多い。「発言者名は含めない」の指示は重要で、これがないと誰々が「あれを懸念している」とか「これを要求している」という書き方で出てきて、送れない内容になる。

プロンプトを業種・職種別にカスタマイズするときのヒント
ここまで紹介したプロンプトはフリーランスのマーケター・ライターという文脈で設計したものだが、業種や職種によって議事録に必要な情報は変わる。カスタマイズのヒントを書いておく。
IT・開発チームの進捗会議
開発チームの会議では、「バグ・イシュー番号」「ブランチ名」「デプロイ日程」などの技術的な情報が重要になる。
## 追加出力項目
- イシュー番号・タスクIDのリスト
- デプロイ予定日(あれば)
- 解決済みバグ・イシュー一覧
- ブロッカーとなっている依存関係
この項目を追加すると、開発チームが後で参照しやすい議事録になる。
営業・商談のミーティング
商談の打ち合わせでは「顧客の課題」「提案内容」「次回アクション」の3点が核になる。
## 出力形式
### 商談概要
(相手の会社・担当者・商談の目的を1行で)
### 顧客の課題・ニーズ
- (把握できた課題を箇条書き)
### 提案・説明した内容
- (提案内容を箇条書き)
### 顧客の反応・懸念
- (ポジティブな反応と懸念点を分けて)
### 次回アクション
| タスク | 担当 | 期限 |
|---|---|---|
商談の議事録は「次のアクションが明確か」が全てなので、アクションアイテムの欄を必ず入れる。
採用面接・1on1
HR系の会議は情報の機密性が高いので、注意が必要だ。名前・個人情報は入力しないのが前提として、構造的な記録を残したい場合にだけ使うことを推奨する。
面接の場合:
## 注意
- 個人名は「候補者A」等の仮称で記載する
- 具体的な評価コメントは記録しない
- 確認した要件・スキルセットのみ記録する
1on1の場合は議事録を残すこと自体が目的ではなく、「アクションの記録」だけでいい場合が多い。
ChatGPT 議事録要約で実際に困ったこと
うまくいくケースを書いてきたが、現実には毎回うまくいくわけじゃない。3ヶ月使って困ったことも書いておく。
長い会議メモをそのまま渡すと要約が雑になる
これが一番困った問題。
1時間以上の会議のメモをそのまま一括で渡すと、前半の内容は細かく要約されて後半が「その他いくつかのトピックについて議論した」みたいな雑なまとめになる。これはChatGPT の処理上の問題というより、「長いメモの後半の内容は文脈的に前半より薄く見える」からだと思う。
対策は2つ:
1. 会議メモを事前にセクション分けして渡す
「会議の前半(プロジェクト進捗確認)」「後半(新規案件の相談)」というようにテーマごとに分割して、別々に処理させる。手間だが出力品質が上がる。
2. 長い会議は処理を分割する
「議事録全体を一発で」ではなく、「まずブロッカーと決定事項だけ抽出して」→「次にアクションアイテムだけ整理して」と段階的に処理する。最終的に手元で組み合わせる。
どちらも多少の手間はかかるが、一括で渡して質の低い議事録を自分で直すより、最初から分割して処理する方が結果的に速い。
発言者の名前を書くべきかどうか問題
会議メモに「田中さんが〜と言った」「鈴木さんは〜を懸念していた」という形で発言者名を書いていると、ChatGPT はそれをそのまま議事録に反映する。
「鈴木さんは予算の件を懸念している」という一文がそのまま議事録に入り、それを関係者に共有すると微妙な空気になることがある。発言者の名前が入った議事録は、社内向けと社外向けで使い分けが必要になる。
ここでもプロンプトで「発言者名は使わず、内容だけをまとめてください」と指示するのが一番楽。出力後の修正が減る。
専門用語を正しく使ってくれないときの対処法
ITやマーケティングの打ち合わせで使う専門用語が、議事録で別の表現に置き換えられることがある。「KPI」が「重要業績指標」になったり、固有のプロジェクト名がうまく処理されなかったり。
これはプロンプトの冒頭に「専門用語はメモ内の表記をそのまま使うこと」と入れるだけで大体解決する。それでも変換されてしまう場合は、出力後に検索・置換で修正する方が早い。
完全に自動化するより「下書きを作る係」と割り切ると、このあたりのストレスが減る。
ChatGPT 議事録に使える「追加プロンプト」テクニック
基本のプロンプトに加えて、特定の状況で有効な追加プロンプトを紹介する。
長い議論を「論点 vs 結論」形式で整理する
1時間以上の複雑な会議メモに対して、議論の流れを整理したい場合に使える。
以下の会議メモから、「論点・議論内容」と「最終的な結論・方針」を分けて整理してください。
## 出力形式
### 論点1:[タイトル]
議論の内容:
- (主な意見・懸念)
最終的な結論:
- (合意内容または判断保留の理由)
### 論点2:[タイトル]
(以下同様)
## 会議メモ
[ここにメモを貼り付け]
「議論したこと」と「決まったこと」が混ざった状態のメモに対して特に効果がある。
議事録から「メール文面」を自動生成する
議事録を作った後、それをクライアントへのフォローメールに変換したい場合。
以下の議事録をもとに、クライアントへの打ち合わせ御礼メールの文面を作成してください。
## 条件
- 件名から本文まで書いてください
- 敬体(です・ます調)で書いてください
- 決定事項とアクションアイテムを本文内にまとめる
- 長さは200〜300字程度
## 議事録
[ここに議事録を貼り付け]
議事録作成 → そのままメール送付まで一気に処理できる。
会議の振り返りレポートを作る
プロジェクトが一段落した後の振り返り会議で、複数回の議事録をまとめてレポート化したい場合。
以下の[N回分]の会議議事録から、プロジェクト全体の振り返りレポートを作成してください。
## 出力形式
### プロジェクト概要
期間・目的を1〜2行で
### 主な決定事項のまとめ
(全会議を通じた重要な決定事項)
### 発生した主な課題と対応
| 課題 | 対応策 | 結果 |
|---|---|---|
### 学んだこと・次回への改善点
-
## 議事録一覧
[各回の議事録を貼り付け]
月次レポートや案件の振り返りレポートとして使える。
Otter.ai や NotebookLM と組み合わせる使い方
議事録処理をChatGPT 単独でやる場合、前提として「会議中に自分でメモを取る」必要がある。これは意外と負担で、会議に集中しながらメモを取るのは限界がある。
そこで組み合わせを考えた。
議事録処理に限らず、会議後のフォロー作業全体を効率化したい場合は、ツールを組み合わせると効果が上がる。
Otter.ai + ChatGPT の流れ:
- で会議の音声を自動文字起こしする
- 文字起こしされたテキストをコピーする
- 「この文字起こしから議事録を作成して」と ChatGPT に渡す
英語の会議が多い場合は特に Otter.ai が力を発揮する。日本語の場合は精度が落ちることがあるので注意。
詳しい Otter.ai の使い方は「Otter.ai の使い方」で解説している。
NotebookLM を使う場合:
NotebookLM はソース管理が得意で、複数回の会議メモをまとめてアップロードしておき、「今月の打ち合わせ全体のサマリーを作って」という使い方もできる。プロジェクト全体の進捗を振り返るときに便利。
詳しい使い方は「NotebookLM の使い方」を参照してほしい。
ただ、「毎回の定例会議の議事録を素早く作る」用途では、直接テキストを貼り付けて処理する方が速い。ツールの使い分けは「その場で素早く処理したいか、蓄積して後で振り返りたいか」で決めている。
NotebookLM にソースとして議事録を蓄積しておく運用は、半年単位のプロジェクトでは特に有効で、「3ヶ月前の会議でこの件どう話し合ったっけ」という振り返りが数秒でできるようになった。すべての打ち合わせに使うわけではなく、長期プロジェクトの議事録だけ選んで入れている。
用途に合わせてツールを選ぶことで、議事録まわりの作業全体が徐々に効率化されていく。一気に全部変えようとせず、まず一番頻度の高い会議から試すのが現実的なアプローチ。

ChatGPT の議事録要約と他のAIツールを比較してみた
議事録処理に使えるAIは ChatGPT だけではないので、簡単に比較しておく。あくまで僕が使って感じた個人的な評価。
ChatGPT vs Claude
Claudeでも同じようなプロンプトで議事録作成はできる。使い比べた感想としては、どちらも大きな差はないが、Claudeの方が「長いメモに対する処理のムラが少ない」印象があった。
ChatGPT の方が普及していて情報が多く、プロンプト設計のノウハウをネットで探しやすい。「情報が多い方を使いたい」なら ChatGPT、「長文処理の安定性を求めるなら」Claude という使い分けが一つの基準になる。
ただ、毎月のコストとして両方課金し続けるのはフリーランスとしてきつかった。僕は ChatGPT Plus(月約3,000円)だけに絞っている。
ChatGPT Plus vs 無料版
無料版(GPT-4o mini)でも基本的な議事録処理はできる。違いが出るのは長いメモを処理するときと、複雑な会議の文脈把握の精度。
無料版で試してみて「なんか物足りない」と思ったら Plus を試す、という順番が良い。月3,000円の費用対効果があるかは、使う頻度と時短効果次第。僕の場合は週3〜4回の打ち合わせがあるので、元は取れていると判断した。
なお、ChatGPT Plus の料金・プラン内容は OpenAI 公式サイト で最新情報を確認してほしい。価格は変動することがある(2026年4月時点)。Otter.ai の料金についても Otter.ai 公式サイト で確認できる。
専用の文字起こし・議事録ツールとの比較
Notta や YOMEL などの専用ツールと比較すると、ChatGPT を使う構成(音声文字起こし → テキスト → ChatGPT 処理)はひと手間増える。
専用ツールのメリットは「一連のフローが完結している」こと。Notta であれば、会議の録音 → 文字起こし → AI 要約まで一気に処理できる。操作がシンプルで毎回同じフローで動く。
ChatGPT 構成のメリットは「プロンプトをカスタマイズできる」点。専用ツールだと出力形式が固定されていることが多いが、ChatGPT なら自分の業務に合わせたフォーマットを指定できる。
フリーランスで打ち合わせの種類が多様な場合は、ChatGPT 構成の柔軟性が活きる。特定の定例会議だけ処理したい場合は専用ツールの方が楽かもしれない。
議事録の品質を上げるための「会議メモの取り方」
ChatGPT の議事録要約は、渡すメモの質に大きく依存する。プロンプトをいくら工夫しても、元のメモが貧弱だと出力も粗くなる。
この章では、ChatGPT に渡すことを前提にした会議メモの取り方を整理する。
箇条書きより「文脈のある短文」の方が処理しやすい
会議中に「決定 → Aさん担当 → 来週」のような極端に省略したメモを取っていると、ChatGPT が文脈を補えない。
「〇〇の件はAさんが担当することに決定。来週火曜までに初稿を共有する」くらいの短文でメモしておくと、ChatGPT がそれをそのまま議事録の一文に使いやすくなる。
メモの取り方を変えるだけで、ChatGPT の出力精度が上がる。
テーマ切り替えのタイミングをメモに入れる
「—-次の議題—-」という区切り線を会議中のメモに入れておくだけで、ChatGPT がトピックの境界を認識しやすくなる。
長い会議の後半が雑になる問題の対策として、メモ段階でセクション分けしておくのが効果的だった。会議中にリアルタイムで入れるのは難しいが、会議直後に5分かけてメモを整理するタイミングで区切りを入れるだけでいい。
決定事項と検討事項を分けてメモする
会議中に「[決定]」「[検討]」のラベルをつけてメモを取ると、ChatGPT が判断ミスをしにくくなる。
[決定] ランディングページのデザインはAパターンに決定
[検討] 予算配分については次回会議で再度議論
[アクション] 田中さんがデザインFBをまとめる → 金曜まで
このラベルを入れておくと、プロンプト側で「[決定]のついた項目を決定事項として抽出してください」という指示ができるようになる。
数字・日付・固有名詞はそのまま書く
ChatGPT は「3割増加」「来月中旬」のような曖昧な表現を正確に保持してくれることもあれば、変換してしまうこともある。
メモ段階で「30%増加」「6月15日」「プロジェクトα」という形で明確に書いておくと、議事録でも正確に反映される。
曖昧な表現はメモ段階で具体化しておくのが、議事録の精度を上げる最も確実な方法。
ChatGPT で議事録を作る際のセキュリティ・プライバシー上の注意点
ChatGPT に会議メモを貼り付けるとき、情報セキュリティの観点でいくつか気をつける必要がある。フリーランスとして複数のクライアントの情報を扱う場合は特に重要。
個人情報・機密情報の取り扱い
ChatGPT に入力したテキストは、デフォルトでOpenAI のサーバーに保存され、モデルの学習に使われる可能性がある(設定によって変わる)。
クライアントの社名、個人名、未発表の製品・サービス情報、財務数値などは入力しない方が安全。
対策として:
- 個人名は「クライアント担当者A」「チームメンバーB」に置き換える
- 社名は「XX社」に置き換える
- 金額は「〇〇万円」など概数に変換する
これで対応できる範囲の会議であれば使いやすいが、機密度の高い会議はChatGPT に渡さない方が無難。
ChatGPT の設定でデータ学習をオフにする
ChatGPT の設定画面から「データ管理」→「モデルのトレーニングに使用する」をオフにできる。
設定手順:
- ChatGPT の左上メニュー → 設定を開く
- 「データプライバシー」または「データコントロール」を選択
- 「モデルのトレーニングに使用する」をオフにする
この設定をオンにしていると、入力したテキストが学習に使われる可能性があるので、ビジネス用途では確認しておくことを推奨する。
なお、ChatGPT Teams や ChatGPT Enterprise プランは、デフォルトでデータが学習に使われない設定になっている。複数のチームメンバーで使う場合はこちらを検討してもいい。
「要約後のテキスト」は機密度が下がる
会議メモを全文貼り付けるのが不安な場合、「要約後の議事録」を別のAI(後処理)に渡す、という2段階にすることでリスクを下げられる。
- 自分でメモをざっくり整理(手動で個人情報を除く)
- 整理済みのテキストを ChatGPT に渡して構造化
完全に自動化はできないが、「何でもそのまま貼る」より安全な運用になる。
ChatGPT 議事録要約を3ヶ月使った結果と、今の使い方
正直なところ、「ChatGPT があればすべての議事録が自動化できる」というのは幻想だった。
うまくいくのは「短い・内容が整理されている・決定事項が明確な会議」。逆に「長い・議論が行ったり来たりする・専門用語が多い」会議は、自分でメモを整理してからでないとChatGPT も扱いにくい。
今の僕の使い方はこう:
- 30分〜1時間の打ち合わせ → プロンプトを使ってChatGPT で処理。15〜20分かかっていた作業が5〜8分に短縮
- 1時間を超える会議 → テーマごとに分割してから処理。それでも完全には任せず、最後は自分で確認する
- クライアントへの議事録送付 → ChatGPT で下書き → 内容チェック → 発言者名・固有名詞を確認 → 送付
「時短になったか」と聞かれると、週単位では確実に1〜2時間は削減できている。ただ、プロンプトを工夫する時間や出力を確認する時間も含めると、最初の期待より「ちょっと楽になった」くらいの感覚が実のところ。
それでも続けているのは、「出力の質が一定水準以上」という安心感があるから。手書きだと疲れているときは質が落ちるが、ChatGPT 経由だと安定している。それだけでも価値はある。
「ChatGPT 議事録、試してみたけどうまくいかなかった」という人へ
「試したけど使えなかった」という感想はよくわかる。最初の僕もそうだった。
うまくいかない原因はたいてい3つのどれかだ。
1. 会議メモが短すぎた
「箇条書き5行」のようなメモでは、ChatGPT が文脈を読み取れない。最低でも「何が話し合われたか」「何が決まったか」が文章レベルで書かれているメモでないと、出力が使えるレベルにならない。
2. プロンプトが「まとめてください」だけだった
シンプルなプロンプトだとシンプルな出力になる。フォーマットを指定していないと、ChatGPT が自分が使いやすい形式で出力してくる。自分が必要な形式を明示的に書くことで、ほとんどの場合は改善する。
3. 会議の長さと内容の複雑さを過小評価した
2時間の会議を一括で渡して「なんか使えない」と判断するのは早い。分割してから処理するか、短い会議から試してみることを勧める。
「一発でそのまま使える議事録が出てくるはず」という期待値が高すぎるのも原因のひとつ。「下書きができる」程度の期待値で試すと、ちょうどいい結果になることが多い。
よくある質問と答え
議事録処理に ChatGPT を使い始めた人からよく聞かれることをまとめておく。
Q. 無料版と Plus で議事録の品質は大きく変わりますか?
A. 短い会議(30分以内)だと差は少ない印象。長い会議(1時間以上)は Plus の方が処理が安定している。まず無料版で試して、「もう少し精度が欲しい」と感じたら Plus を検討するのが良い。
Q. 会議メモが日本語と英語が混ざっているとうまく処理できますか?
A. できる。ただし、指示と出力の言語を明示した方がいい。「日本語で議事録を作成してください」と入れておくと、英語のメモが含まれていても日本語の議事録が出てくる。逆も同様。
Q. 会議メモではなく音声録音をそのまま渡せますか?
A. ChatGPT のウェブ版には音声ファイルを直接処理する機能はない(2026年4月現在)。音声は一度テキストに変換してから渡す必要がある。Otter.ai や WhisperなどのAPIで文字起こしした後、そのテキストを ChatGPT に渡すのが現実的なフロー。
Q. プロンプトに「機密情報」と書けば安全に使えますか?
A. いいえ。「これは機密情報です」と書いても、データの保存先や利用条件は変わらない。機密性の高い情報を扱う場合は、個人名・社名等を置き換えるか、そもそも外部AIに渡さない判断をする必要がある。
Q. 毎回同じプロンプトを入力するのが面倒です。何か良い方法はありますか?
A. ChatGPT には「カスタム指示」という機能があり、毎回の会話に適用されるデフォルト指示を設定できる。「議事録作成のアシスタントとして動作する」「出力は必ず Markdown 形式で」などの共通指示を設定しておくと、プロンプトが短くなる。ただし、会議の種類ごとに変わる部分は毎回入力する必要があるので、テンプレートと組み合わせて使うのが現実的。
Q. ChatGPT が間違った内容を議事録に書いてしまうことはありますか?
A. ある。特に「会議メモに書いていない情報を勝手に補完する」というケースが起きることがある。プロンプトに「会議メモにない情報は補完しないでください。不明な場合は要確認と書いてください」と入れると、この問題が減る。最終的には人間が確認するのが前提。
Q. 議事録を作ってから共有する時間が短縮されましたか?
A. 作成時間は確実に短縮された。ただ、確認する時間は省けない。出力を確認せずにそのままクライアントに送ったことで、誤った情報が入っていたという経験が1回ある(発言者の名前が変換されていた)。「下書き作成は速くなるが、確認フローは省略しない」というのが今の方針。
まとめ:議事録要約で ChatGPT が得意なことと苦手なこと
最後に整理する。
ChatGPT が得意なこと:
- 整理されたテキストを指定フォーマットに変換すること
- 決定事項・アクションアイテムを抽出すること
- 短時間の会議(30〜60分)を素早く処理すること
- 複数回の議事録をまとめてレポート化すること
ChatGPT が苦手なこと:
- 長い会議メモを均一に処理すること(後半が雑になる)
- 文脈が複雑な議論の要点を正確に捉えること
- 会議で使われた専門用語や固有名詞を正確に維持すること
- 不完全・断片的なメモから完全な議事録を生成すること
使う上でのコツまとめ:
- プロンプトには出力フォーマットを明示的に書く
- 会議の種類ごとにプロンプトテンプレートを用意する
- 1時間以上の会議はテーマごとに分割して処理する
- 出力を確認せずに送ることはしない
- 機密情報は入力前に置き換えるか、外部AIに渡さない
これらを実践すると、議事録作成の「ひな形作り」にかかる時間は確実に短くなる。完全な自動化ではなく「8割の下書きを作る補助ツール」として使うのが、現実的でちょうどいい活用法だと思っている。
週3〜4回の打ち合わせがある人は、プロンプトを一度整備しておくだけで週に1〜2時間は削減できるはず。まず定例会議の1本から試してみることを勧める。
「ちゃんとしたプロンプトを作るのが面倒くさい」という気持ちはわかる。でも、プロンプトは一度作ってしまえばずっと使い回せる。最初の30分を投資するかどうかで、その後の何十時間が変わる。
まず試してほしいのは、この記事で紹介した「定例会議・週次MTG向け」のプロンプトをそのままコピーして、次の会議後にメモに貼り付けてみることだ。そのままでなくてもいい。「使えるかどうか」を確かめるだけでいいので、まず一回動かしてみることが大事。
一回試してみて「こっちの方がいい」と思う部分を少し修正すれば、自分専用のプロンプトができあがる。そこまでできれば、あとは使い続けるだけだ。
ChatGPT 議事録要約を継続して使うために:つまずきポイントと対処法
最後に、「始めたはいいが続かなかった」というパターンを防ぐためのポイントを書いておく。
プロンプトを使い回せる形で保存しておく
毎回一からプロンプトを書くのが面倒になると続かない。「定例会議用」「クライアント打ち合わせ用」「進捗確認用」のプロンプトをNotionやメモアプリに保存しておき、毎回コピペで使い回す仕組みを作ることが継続のコツ。
僕はNotionにプロンプトのテンプレートページを作り、会議の後にそこを開いてコピペするだけにしている。
「100点の議事録」を求めない
最初のうちは「もっと精度が上がるはず」と思ってプロンプトを改善し続けてしまいがちだが、ある程度のところで「7〜8割の品質で良し」と割り切ることが大事。
残りの2〜3割は自分で確認・修正する前提にした方が、精神的に楽になる。
失敗した出力は「プロンプト改善の材料」として記録する
「この会議のメモは処理できなかった」「この種類の出力は毎回ずれる」という失敗パターンをメモしておくと、プロンプトを改善する手がかりになる。
僕はそういうメモを「ChatGPT 議事録の失敗集」としてNotionにまとめている。なんだかんだ、失敗から学ぶ方が早い。
ChatGPT 議事録要約は、始めてすぐに使いこなせるツールではない。でも、試行錯誤を続けると「これは使えるな」と感じる領域が見えてくる。地味に、じわじわと、仕事が楽になっていく感覚がある。
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