Difyの使い方入門:ノーコードでAIチャットボットを作る最初の一歩

自動化・ノーコード

のDify 使い方を試してみた話を書く。

結論から言うと、「ノーコードでAIチャットボットが作れる」というのは本当で、実際に触ってみたら思ったより早く動くものができた。ただ、「無料で始められる」という点については少し注意が必要で、そのあたりも含めて正直に書いていく。

この記事を読むと、Difyのアカウント登録からチャットボット作成・テスト・埋め込みまでの流れがわかる。無料Sandboxプランで何ができて、どこから有料が必要になるかも把握できる。

dify chatbot nocode
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Difyとは何か:チャットボットがノーコードで動く仕組み

Difyは、LLM(大規模言語モデル)を使ったAIアプリをノーコードで構築できるプラットフォームだ。チャットボット、テキスト生成、ワークフロー自動化、AIエージェントと、いくつかのモードがある。

オープンソースで開発されていて、クラウド版(dify.ai)はアカウント登録だけで使い始められる。セルフホスト版もあって、VPS上でDockerを使って自前で立ち上げることもできるが、それはまた別の話。

Difyが他のチャットボット系ツールと違う点

ChatGPTのカスタムGPTと似ていると感じた人も多いと思う。実際、似ている部分もある。ただ違うのは、Difyは自分で使うLLMモデルを選べること、そしてそれをAPIとして外部から呼び出せること。

n8nやMakeといった自動化ツールとも違う。あちらはワークフローのトリガーとアクションが中心で、チャットボットを作るのにはひと手間かかる。Difyはチャットのインターフェースを最初から前提とした設計になっている。

まあ、「チャットボットを作りたい」という目的であれば、Difyは入口として素直に使いやすいと思う。

無料で使えるSandboxプランと有料プランの違い

ここが少し注意がいる部分だ。

Difyのクラウド版にはSandboxという無料プランがある。クレジットカードなしで登録できて、すぐに試せる。ただ、このSandboxには200メッセージクレジットという上限がある。

で、これは開発中にすぐ消える。チャットボットの動作確認を繰り返すだけで、あっという間に尽きる。「無料で試せる」はその通りだが、実質的にはデモを動かすレベルの制限だと思った方がいい。

加えて、Difyの料金とは別に、使うLLMのAPIキーが必要になる。OpenAI GPT-4oを使う場合はOpenAIに、ClaudeならAnthropicにそれぞれAPI費用を支払う。Difyのサブスク料金は「Difyプラットフォームを使う費用」であって、LLMの利用料とは別枠だ。詳細な仕様はDify公式日本語ドキュメントで確認できる。

プラン 月額 メッセージクレジット 備考
Sandbox(無料) $0 200 アプリ5つまで・クレカ不要
Professional $59 5,000/月 チーム2名まで
Team $159 10,000/月 チーム5名まで

※2026年4月時点の情報。プランの詳細はDify公式サイト(dify.ai/pricing)で確認してください。

LLMのAPIキーについては、例えばOpenAIのGPT-4o-miniを使う場合、軽いチャットボットなら月に数ドル程度で収まることが多い(使用量次第で変動するため、あくまで目安)。


この記事でわかること

  • Difyのアカウント登録から最初のチャットボット公開まで
  • Sandboxプランの実際の制限
  • プロンプトの設定と動作テストの手順
  • 外部サービスに埋め込む方法

Difyを始める前に確認しておくこと

アカウント登録はGoogleかGitHubで30秒

dify.ai にアクセスして、「Start For Free」からGoogleかGitHubアカウントで登録する。メールアドレスとパスワードで作ることもできる。登録後すぐにダッシュボードに入れる。

まあ、これは特に詰まるところはない。

クラウド版とセルフホスト版、どちらを選ぶか

セルフホスト版はDockerが使えてVPSを持っている人向け。サーバー費用だけで使えるので、LLM費用を除けば月数百〜千円程度に抑えられる可能性がある。

ただ、初めてDifyを試すならクラウド版一択でいい。環境構築のストレスなしに動くものが確認できる方が先決だ。

本記事はクラウド版の手順を扱う。


AIチャットボットを作る:基本的な手順

ダッシュボードに入ったら、画面左上に「スタジオ」というメニューがある。ここが制作の拠点になる。

「チャットボット」アプリを新規作成する

スタジオ画面で「アプリを作成」→「最初から作る」を選択する。

アプリタイプを選ぶ画面が出てくる。

  • チャットボット:ユーザーとの対話形式
  • テキストジェネレーター:入力に対して1回の返答を返す
  • エージェント:ツールを呼び出しながら自律的に動く
  • Workflow:固定フローで入力から出力まで処理する

今回は「チャットボット」を選ぶ。名前をつけて(なんでもいい)、作成を押す。

システムプロンプトを書く:AIに何者かを教える

作成直後の画面を開くと、「プロンプト」という入力欄がある。ここに書いたテキストがAIへの基本指示になる。

ここが肝心で、雑に書くと動作がブレる。

僕が最初に試したときのプロンプトは「あなたはカスタマーサポートです」だけだった。案の定、なんでも答えようとする変なbotになった。2時間ほど修正を繰り返して、ようやく想定通りの挙動になった。

実際に使えた形式はこんな感じ:

あなたは[サービス名]のFAQに特化したアシスタントです。
以下のルールに従って回答してください:

- 提供された情報にない質問は「わかりません」と答える
- 回答は簡潔に。200文字以内で答える
- 丁寧語を使う

ルールをリスト形式で明示すると、動作が安定しやすい。

モデルを選ぶ:GPT-4oかClaude、どちらが良いか

プロンプト欄の右側に、使用するLLMモデルを選ぶセレクターがある。ただし、使うにはそのプロバイダーのAPIキーが必要だ。

APIキーの追加は「設定」→「モデルプロバイダー」から行う。OpenAI APIキーを取得してここに貼れば、GPT-4o・GPT-4o-mini・GPT-3.5-turboを選べるようになる。

どれが良いかは用途次第だが、コストと性能のバランスならGPT-4o-miniがとっつきやすい。FAQ botくらいの用途なら十分機能する。

Claudeも選べる。AnthropicのAPIキーを登録すれば使える。長文の回答が必要なケースではClaudeの方が自然な文章を返すと感じる。

とはいえ、まずはGPT-4o-miniで動かして確認するのが無難だ。

テストして動作を確認する

プロンプトを設定したら、画面右側の「デバッグとプレビュー」エリアで動作を確認できる。

実際にメッセージを送ってみて、期待通りの返答が来るか確認する。想定外の返答が来たらプロンプトを修正して再試行する。これを繰り返す。

ここが一番時間がかかる。プロンプトの書き方ひとつで挙動がかなり変わる。「3回修正して確認」くらいの気持ちで取り組む方がいい。


dify prompt settings
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作ったチャットボットを使えるようにする

動作確認ができたら、右上の「公開」ボタンを押す。これで外部から使える状態になる。

Webサイトへの埋め込みとAPIアクセスの違い

公開後、「アクセスURL」と「埋め込み」の2つの選択肢がある。

アクセスURLを使う場合:

DifyがホストするチャットのURLが発行される。そのURLを開けばチャットができる。一番手軽だが、見た目のカスタマイズは限定的。

Webサイトへの埋め込み:

HTMLのスクリプトタグが発行される。自分のWebサイトのbody内に貼り付けると、右下にチャットアイコンが表示されるようになる。見た目はDifyのデフォルトだが、ドメインがホワイトリスト設定されていれば自分のサイト上で動く。

API連携:

発行されたAPIキーを使えば、他のシステムからDifyのチャットボットを呼び出せる。n8nのワークフロー内からDifyを呼び出すといった使い方も可能。

クライアントに納品するなら埋め込みかAPI経由になる。個人で使うだけなら、まずアクセスURLで十分だ。


実際にやってみて気づいた制限と注意点

Sandboxの200クレジットは本当に早く尽きる。

プロンプト修正のたびに確認テストを繰り返していたら、1〜2時間で尽きた。開発・テスト中の消費が意外に多い。「ちょっと試すだけ」ならいいが、実用レベルのbotを作るにはProfessionalプランが必要になると思った方がいい。

ナレッジ機能はSandboxでも使えるが、容量が50MB。

PDFやテキストファイルをアップロードして、そのデータを元にAIが回答するRAG(検索拡張生成)の仕組みを使える。社内のFAQ文書や商品説明書を学習させるイメージ。ただ、Sandboxは50MB・50ドキュメントまで。大規模なナレッジベースには使えない。

LLM費用は別途かかる。

これは繰り返しになるが、見落としやすいポイントだ。Difyの月額とOpenAIのAPI費用は別請求。月にメッセージを何千回もやりとりするなら、LLM側の費用もシミュレーションしておく必要がある。

「カスタムGPTと何が違うの?」という疑問について。

正直、シンプルなチャットボットを作るだけなら、ChatGPTのカスタムGPTでもほぼ同じことができる。Difyの強みが出るのは、APIとして外部からアクセスしたい場合、複数のモデルを切り替えて使いたい場合、Workflowや本格的なAgentを組みたい場合。個人の軽い用途なら、カスタムGPTの方がシンプルかもしれない。


dify chatbot workflow
Photo by Campaign Creators on Unsplash

まとめ:Difyは「最初の一歩」として悪くない

Difyは、チャットボットの仕組みを理解してみたい、LLMをAPIで使ってみたい、という目的には十分に機能する。

ただ、運用レベルで使うなら月$59のProfessionalプランとLLM費用が必要になる。セルフホスト版で構築する選択肢も視野に入れておくといい。

フリーランスとして「クライアントに渡せるbot」を作るコストとして、Dify$59+LLM費用(月$5〜20程度)という感じになりそうだ。用途が合えば悪い選択ではない。

次のステップは、DifyのWorkflowモードで外部APIと繋ぐ方法を試してみること。チャットボット単体で終わらせず、実際の業務フローに組み込む方向で探ってみる。

ちなみに、Dify以外のノーコード自動化ツールが気になる人は、n8nについても書いているので参考にしてほしい。n8nはチャットボット特化ではなく、ワークフロー自動化全般を扱うツールで、使い方の方向性が少し異なる。「チャットで会話させる」ならDify、「データの流れを自動化する」ならn8nというイメージが近い。

Difyを使っていくなら、次はWorkflowモードを触ってみることをすすめる。チャットボットだけで終わらせず、外部APIと繋いでより実用的な処理をさせることができる。そのあたりは別記事でまとめる予定だ。


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