「完全無料で使える議事録AI」という触れ込みを見て、正直半信半疑で入れた。
議事録ツールに月1,000円以上課金しているフリーランスとして、「本当に無料でまともに使えるなら話が違う」と思ったわけだ。
結論から言う。Fathomは「無料でここまでできるのか」と思わせる水準にある。ただ、無料のままで「これで十分」と思える用途には限界がある。3週間使い込んで見えてきた実態を、良い点も悪い点も包み隠さずに書く。
この記事でわかること:
- Fathomとは何か・なぜ無料なのか(収益モデルも説明)
- セットアップの手順(Zoom・Google Meetへの連携方法)
- 無料プランで何ができて、何ができないか
- 日本語会議での文字起こし精度の正直な評価
- FirefliesやOtterと比べてどう違うのか
- Fathomが向いている人・向いていない人

- Fathomとは何か:完全無料を名乗るAI議事録ツールの正体
- Fathomのセットアップ:インストールから最初の会議録取得まで
- Fathomを実際に使ってみた:無料でどこまでできるのか
- Fathomの無料プランで実際に制限されること
- FirefliesやOtter.aiと比べてどう違うのか
- Fathomが向いている人・向いていない人
- まとめ:3週間使って「続けるか」の正直な判断
- Fathomを3週間使って気づいた「意外な使い方」
- Fathomの設定で最初にやっておくべきこと
- 「Fathomだけでは足りない」と感じた場面
- よくある質問:Fathomについて迷ったこと
- Fathomを使い始める前の確認チェックリスト
- Fathomを無料で使い続けるための現実的な運用方法
Fathomとは何か:完全無料を名乗るAI議事録ツールの正体
Fathomが無料でいられる理由と収益モデル
最初に「なぜ無料なのか」を確認した。無料のビジネスツールには何かしら理由がある。
Fathomの収益モデルは「Fathom for Teams」という有料プランにある。個人向けは無料で提供し、チームや企業向けの機能(チームメンバーへの議事録共有・CRM連携・AIスコアカードなど)で収益を得る構造だ。
一般的なfreemiumモデルと同じで、「個人は無料で使えるが、組織として使うには課金が必要」という設計になっている。個人フリーランスが「1人で議事録を管理する」用途には、この無料プランが刺さっている。
セキュリティについては、公式サイトによると「顧客データはAIモデルの学習に使用しない」「エンドツーエンドで暗号化される」「データはUSに保存される」と明記されている(2026年4月時点の情報)。守秘義務があるクライアントの会議で使う場合は、事前にクライアントへの通知・確認が必要になる場合がある。
Fathomの対応プラットフォーム(Zoom・Meet・Teams)
Fathomが対応している会議ツールは:
- Zoom
- Google Meet
- Microsoft Teams
28言語に対応しており、日本語も含まれている(2026年4月時点の情報)。
Chromeの拡張機能とデスクトップアプリの組み合わせで動作する。重要なのが「Chromeが前提」という点。GoogleのChrome系ブラウザ(Chrome・Chromium系)以外では動作しない。FirefoxやSafariを使っている場合は、会議専用でChromeを用意する必要がある。
また、Fathomには「Bot-free capture(ボットなしオプション)」があり、通常のAI議事録ツールが会議ルームにボットとして入室する形と異なり、ボットなしで録音できる。ボットの入室が許可されていないセキュリティポリシーの会議でも対応できる点は差別化になっている。
Fathomと有料議事録ツールの基本的な差
Fathomを使い始める前に、「無料ゆえの限界」を理解しておくことが重要だ。
Fathom無料プランと有料議事録ツール(FirefliesのProプランなど)の主な差:
| 比較軸 | Fathom(無料) | Fireflies Pro($10/月) |
|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 月$10〜 |
| 日本語精度 | 中程度(実用はできる) | 実用レベル |
| AI検索機能 | Ask Fathom(基本機能) | AskFred(横断検索あり) |
| 保存・過去ログ | 制限あり(詳細は公式参照) | 無制限(Proプラン) |
| チーム共有 | 制限あり(個人向け) | 制限あり(Business以上) |
| CRM連携 | なし | Businessプラン以上 |
「完全無料」は本当だが、「有料ツールと同等の機能が無料で使える」ではない。この認識で使い始めると期待値のコントロールができる。
Fathomのセットアップ:インストールから最初の会議録取得まで
Chromeのインストール手順(1分で完了する流れ)
実際にやってみると、セットアップは本当に速かった。
- fathom.aiにアクセスする
- 「Get started – free forever」または「Sign in with Google」をクリック
- Googleアカウントでサインインする
- セットアップウィザードが起動し、Chrome拡張機能のインストール画面に進む
- Chromeウェブストアから「Fathom – Video Call Notetaker」をインストールする
- ブラウザ右上のツールバーにFathomのアイコンが表示されたら完了
これだけ。公式が「1分未満で完了する」と謳っているのは誇張ではなかった。
Zoomを使う場合は追加でFathomのデスクトップアプリ(Windows/Mac)のインストールが必要になる。デスクトップアプリのダウンロードもサインイン後のダッシュボードから誘導される。
注意点として、Googleアカウントでのサインインが推奨されている。他のメール・パスワードでのサインアップも可能だが、Google Meetとの連携がスムーズになるため、Google系ツールを使っているフリーランスはGoogleアカウントでのサインインが楽だ。
Google Meetに連携する方法
Google MeetはChrome拡張機能だけで自動連携される。追加設定は不要。
セットアップ後にGoogle Meetを開くと、画面下部にFathomのコントロールパネルが表示される。会議開始と同時に録音・文字起こしが始まる(初回は録音開始の確認が出る場合がある)。
会議参加者への通知については、FathomがMeetの会議に「録音が開始された」という通知を出すことがある(Meet側の設定による)。クライアントとの会議で使う場合は、事前に「議事録ツールを使っています」と伝えておくのが礼儀上の対応だ。
Google Meet連携での実際の使い方:
- 会議開始前にChromeを開いてMeetのURLに入室する
- 入室と同時にFathomのコントロールパネルが表示される
- 「Record」ボタンが赤点灯していれば録音中
- 会議中は特に操作不要(自動で録音・文字起こしが進む)
- 会議終了後、数分でFathomのダッシュボードに処理済みの会議録が表示される
Zoomに連携する方法
ZoomはデスクトップアプリとFathomの連携で動作する。
- Fathomのデスクトップアプリをインストール・ログインしておく
- Zoomデスクトップアプリを起動する
- Zoomミーティングに入室すると、FathomがZoomを検知して自動で録音を開始する
「Bot-free capture」オプションを使うと、Zoom内にFathomのボットとして入室せずに録音できる。他の参加者から「Fathom Bot」のような表示が出ない形での録音になる。セキュリティが厳しい会議でも使いやすい設計だ。
Zoomの場合、Fathomデスクトップアプリが常駐している必要がある。「Zoomだけ起動してFathomを起動し忘れていた」というミスは最初の1週間で2回やった。習慣化するまでは「Zoom起動前にFathom起動」を自分のチェックに入れるのがいい。
Microsoft Teamsに連携する方法
Microsoft TeamsへのFathom連携もChrome拡張機能経由で対応している。基本的な接続フローはGoogle Meetと同様で、Chromeを使ってTeamsにアクセスすれば自動的にFathomが起動する。
ただし、TeamsのデスクトップアプリからはFathomの連携が機能しない場合がある(2026年4月時点での挙動)。Teams会議にはChromeブラウザ経由でアクセスすることが推奨される。
Fathomを実際に使ってみた:無料でどこまでできるのか
3週間、週3回程度の会議(計9回)でFathomを使い続けた。内訳は日本語会議7回(クライアントMTG・パートナーMTG)、英語会議2回(英語クライアントとの商談)。
自動文字起こしの精度を日本語会議で検証した
日本語の文字起こし精度について、率直に書く。
「28言語対応」は本当だが、日本語の精度は英語より落ちる。
9回の会議を通じた感覚として:
- 1対1の静かな環境での会議:精度7〜8割(実用範囲内)
- 複数人が参加する会議:精度5〜7割(専門用語・人名の誤認識が多い)
- 背景騒音がある環境(カフェMTG・スマホからの接続):精度3〜5割(正直厳しい)
具体例を出すと、「来週の火曜日に〇〇の件で確認します」という発言が「来週の火曜日に丸々の件で確認します」のような誤認識になるケースが複数あった。会議の流れを把握するには使えるが、特定の発言を正確に引用する用途には向かない。
比較対象として、Nottaのプレミアムプランを日本語会議メインで使っている僕の感覚では、日本語の文字起こし精度はNottaのほうが明らかに高い。「日本語会議を正確に記録したい」という用途では、日本語特化のツールのほうが現実的だ。
ただし「会議の大まかな流れを把握する」「アクションアイテムを確認する」程度の精度であれば、Fathomでも十分対応できる。
英語会議での文字起こし精度
英語の2回の会議での精度は明確に高かった。
体感では9割以上の精度で文字起こしされており、多少の固有名詞の誤認識はあるものの、「そのまま議事録として使える」品質だった。英語ネイティブではない僕でも、文字起こしを読んで会議の内容が8〜9割再現できると感じた。
英語会議での文字起こし精度については、Fireflies.aiとほぼ同等の品質だった(個人的な体感)。無料でこの精度が出るなら、英語会議メインのフリーランスにとっては有力な選択肢になる。
AI要約の質:議事録として使えるレベルか
文字起こしが完了すると、Fathomが自動でAI要約を生成する。
英語会議での要約精度:高い。
英語の2回の会議では、AI要約が「そのまま議事録として使える」品質だった。アクションアイテムの抽出精度も高く、「誰が何をする」という形式で整理されていた。
日本語会議での要約精度:中程度。
文字起こし精度が低い分、要約の品質も下がる。「会議の大まかな流れはわかるが、細かい合意事項は要確認」という品質感。7回の日本語会議のうち、そのまま議事録として使えたのは2〜3回で、残りは手直しが必要だった。
特に日本語の固有名詞(会社名・プロジェクト名)の誤認識が要約に影響を与えていた。これはAI要約の問題ではなく、文字起こし精度の問題が上流にある。
AI要約のフォーマット
Fathomが生成するAI要約は、デフォルトで以下の形式になっている:
- Overview(概要): 会議全体の内容を数行で要約
- Key Points(重要ポイント): 会議で出た主要なトピック
- Action Items(アクションアイテム): 担当者・タスク・期限の抽出
- Next Steps(次のステップ): 次回に向けた行動
このフォーマットは業種・会議の種類によってカスタマイズできる。採用面接・営業商談・1on1など、用途別のフォーマットが用意されている。
ハイライト・タグ付け機能の実用性
会議中に「インサイト」「ポジティブ」「フィードバック」「アクション」などのタグを押して、重要な発言を記録できる。
使ってみたが、正直「会議中にボタンを押す余裕がない」という場面が多かった。議事録ツールに求めるのは「自動で全部やってくれること」であって、「会議中に操作する作業」ではないと気づいた。
有効な使い場面としては:
- 「この発言は絶対に記録しておきたい」という重要な発言の瞬間に押す
- 会議の振り返りで「このハイライトを再生する」用途
- チームと共有するクリップを会議中に選定しておく
「とりあえず自動で全部記録して後から見る」という使い方なら、ハイライト機能は使わなくていい。
フォローアップメール自動生成を使ってみた
Fathomの目玉機能の一つが「フォローアップメールの自動生成」だ。
英語会議後に使った結果:8割程度そのまま使えるメールが生成された。「会議の内容」「次のアクション」「お礼の一言」が自然な文章でまとまっていた。手直しは2〜3分で完了。
日本語会議後に使った結果:英語の場合と比べて精度が落ちる。「会議の概要はあっているが、細かいニュアンスが抜けている」という品質。そのまま送れるものは7回中2回。残りは大幅な書き直しが必要だった。
とはいえ「雛形として使う」という観点では、日本語会議後でも使い道はある。書き出しと構成が自動で出てくるだけでも時間短縮になる。
Ask Fathom機能(AIへの会議内質問)
Fathomにも「Ask Fathom」という、会議録に対して自然言語で質問できる機能がある。
機能としてはFirefliesのAskFredと似ているが、精度と横断検索の機能でFirefliesが上回る印象だった。Ask Fathomは「1つの会議内での質問」には対応しているが、「複数の過去会議を横断して質問する」という用途には制限がある(2026年4月時点での試用範囲)。

Fathomの無料プランで実際に制限されること
ストレージと過去ログの保持
無料プランでの保存容量・過去ログの保持期間については、公式サイト(fathom.ai)で最新の情報を確認することを推奨する(2026年4月時点での試用範囲では制限に当たっていないが、長期使用時の挙動は保証できない)。
3週間(9会議)の使用範囲では、すべての会議録を後から閲覧できた。
チーム共有・エクスポートの制限
個人向け無料プランでできない、またはできない可能性がある機能:
- チームメンバーへの会議録共有: Fathom for Teamsプランが必要
- CRM連携(Salesforce・HubSpot): 有料プラン対象
- 高度なAIスコアカード機能: 有料プラン対象
- 高度なエクスポート機能: プランによって制限がある場合あり
「議事録を自分だけで使う」フリーランス用途なら無料プランで十分な機能がある。「クライアントやチームメンバーと共有したい」「CRMに会議録を連携したい」場合は有料プランへの移行が必要になる。
Chromeに依存する制約
前述の通り、Fathomの動作にはChromeが前提になる。
業務でFirefoxやSafariをメインブラウザとして使っている場合、会議のためだけにChromeを起動する必要がある。小さな手間だが、ブラウザの使い分けが煩わしいと感じる人には引っかかる点になる。
FirefliesやOtter.aiと比べてどう違うのか
3つのツールを並べて整理する。
| 比較軸 | Fathom | Fireflies.ai | Otter.ai |
|---|---|---|---|
| 料金(個人) | 無料 | 無料〜$10/月(Pro) | 無料〜$8.33/月(Pro) |
| 日本語精度 | 中程度 | 実用レベル | 非対応 |
| 英語精度 | 高い | 高い | 高い |
| AI検索機能 | Ask Fathom(基本) | AskFred(複数会議横断) | OtterPilot |
| Zoom対応 | ○(Botなしオプションあり) | ○ | ○ |
| Google Meet対応 | ○ | ○ | ○ |
| リアルタイム字幕 | △ | ✕ | ○(英語のみ) |
| CRM連携 | 有料プラン | Businessプラン | Enterpriseプラン |
| Chrome依存 | あり | なし | なし |
Fathomのポジションは「無料で使える入門ツール・英語会議専用ツール」だと思う。
Fireflies.aiと比較すると、AskFredの横断検索機能・日本語精度・外部連携数でFirefliesが上回る。ただしFirefliesの本格使用はProプラン($10/月)が前提になる。
Otter.aiは日本語会議では使えないため、日本語環境でのツール選定ではFathomが上位に来る。英語のみの場合はOtterのリアルタイム字幕がFathomより優れている。

Fathomが向いている人・向いていない人
向いている人:
- 英語会議メインで議事録ツールに課金したくない人
- まず無料で「AI議事録ツール」の感覚を試してみたい人
- チーム共有が不要で個人で完結する用途の人
- BotなしでZoom会議を録音したい人
- Zoom・Google Meet・Teamsに対応した無料ツールを探している人
向いていない人:
- 日本語会議の精度を重視する人(NottaやFirefliesを検討すべき)
- 複数の会議記録をAIで横断検索したい人(FirefliesのAskFredが向いている)
- Chrome以外のブラウザを使う場合が多い人
- チームへの議事録共有が主な目的の人(有料プランが必要)
- 「完全無料で有料ツールと同等の体験」を期待している人
まとめ:3週間使って「続けるか」の正直な判断
Fathomを使って一番驚いたのは「これが無料でいいのか」という点だ。英語会議での文字起こし・要約・フォローアップメール生成の品質は、課金している他のツールと比べても遜色ない。
ただ、日本語会議がメインの僕は「このまま乗り換えるか」と言われると判断が難しかった。Nottaの日本語精度には及ばない。Firefliesの横断検索機能はFathomにはない。
3週間試して出した結論:
日本語会議メインのフリーランスにとって、Fathomは「完全乗り換え」ではなく「英語会議のみ使うサブツール」として使うのが現実的だ。
あるいは、「議事録ツールを初めて試してみる」入門ツールとしての選択肢には十分に値する。「本当に使えるか確認してから有料ツールを契約する」という検証フェーズとして使うには最適だ。
「無料で使える」という大きなアドバンテージは本物だ。ただし「無料のままで全部解決する魔法のツール」ではない、というのが正直な評価だ。
Fathomを3週間使って気づいた「意外な使い方」
機能の説明を読むだけではわからない「実際の活用パターン」を追加で共有する。
会議前の準備ツールとして使う
Fathomは「会議中・会議後」の記録に注目されるが、「会議前の準備」にも使えることに気づいた。
具体的には、前回の会議録をFathomで確認しながら次回のアジェンダを作る。「前回どんな話をしたか」「何が未決になったか」「誰が何を担当することになったか」を、文字起こし・要約から確認してから次の会議に入る。
フリーランスの場合、クライアントとの間隔が2週間〜1ヶ月開くことがある。前回の会議を忘れた状態でMTGに入ることを防げるのは、議事録AIツールを使う大きな価値の一つだ。
短い会議でも記録に残す価値
30分以下の短い定例MTGにFathomを使うのは「大げさ」と思っていたが、使い続けると判断が変わった。
短い会議こそ「言った・言わない」のトラブルが起きやすい。Fathomで記録を残しておくことで、後から「あの時何を決めたか」を即座に確認できる。メールや議事録を書く手間が省けるだけでなく、クライアントとの信頼関係の証拠としても機能する。
月に20〜30本の会議があるフリーランスなら、30分以下の短い会議も含めてFathomで一括管理するのが効率的だ。
英語プレゼン・スピーチの練習ツール
Fathomを「自分のプレゼンの確認ツール」として使う方法も発見した。
英語でのプレゼンやクライアントへの説明を自分で録画してFathomに通すと、文字起こしから「自分が何を言ったか」「言葉の選び方」「繰り返し使っている表現」がわかる。英語会議での自分の話し方の癖を客観的に確認する用途で使えた。
Fathomの設定で最初にやっておくべきこと
3週間使って「もっと早くやっておけば良かった」と思った設定を共有する。
通知の設定(会議開始前の自動起動)
Fathomはデフォルトでカレンダーと連携し、会議開始前に自動で起動する。この設定が有効になっているか確認することが最初のステップだ。
Googleカレンダーとの連携が適切に設定されていれば、「録音するのを忘れた」という事態を防げる。インストール直後にカレンダー連携の設定を確認することをすすめる。
言語設定の確認
Fathomは自動で会議の言語を検出するが、日本語会議の場合は言語設定を確認しておく。
日本語に明示的に設定することで文字起こし精度が若干向上する(実体験として)。英語と日本語が混在する会議では、自動検出に任せるほうが良い場合もある。試しながら設定を調整することをすすめる。
要約テンプレートの事前設定
Fathomは会議の種類に応じた要約テンプレートを選べる。
- 営業商談(Sales Call)
- 採用面接(Recruiting Interview)
- 1on1(1:1 Meeting)
- 汎用(General Meeting)
フリーランスでよく行う会議の種類に合わせてデフォルトテンプレートを設定しておくと、毎回の設定変更が不要になる。クライアントとの定例MTGに使うなら「汎用」で十分だが、営業商談が多い人は「Sales Call」テンプレートが要約の質を上げる。
「Fathomだけでは足りない」と感じた場面
Fathomを3週間使って「このツール単体では解決できない」と感じた場面も正直に書く。
日本語の専門用語・固有名詞が多い会議
Webマーケティングの専門用語、クライアント固有のプロジェクト名・製品名が多い日本語会議では、Fathomの文字起こし精度が実用レベルを下回ることが多かった。
「マーケティングファネル」「コンバージョン率」のような一般的なWebマーケ用語は精度が高い。だが「〇〇社のプロジェクトXXの2ndフェーズ」のような固有名詞は、ほぼ確実に誤認識される。
この問題はFirefliesでも同様に発生するが、Nottaのような日本語特化ツールでは誤認識率が明らかに低い。日本語専門用語の精度を最優先するなら、FathomよりNottaの選択が現実的だ。
複数の会議録を横断してAI分析したい
「先月のクライアントとのMTGを全部振り返って、何が繰り返し議題に上がっているか教えて」という質問をしたいとき、FathomのAsk Fathom機能では複数会議の横断検索が限定的だ。
この用途に特化した機能を持つのがFirefliesのAskFredだ。複数会議を横断して「3ヶ月間の会議でどのテーマが何回出たか」を検索できる。会議記録を「ビジネスデータ」として活用したい用途では、FathomよりFirefliesが向いている。
「会議ボットを入れたくない」クライアントへの対応
Fathomには「Botなし録音オプション」があるが、Chromeの画面録画ベースなのでPCのスペックや設定によっては動作が不安定になることがある。
録音の信頼性を最優先するなら、Zoom録画機能(Zoom Pro)との組み合わせや、ローカルレコーダーとの併用も選択肢に入れておく。
よくある質問:Fathomについて迷ったこと
Fathomは日本語に対応しているか
対応はしているが、精度は英語より落ちる。28言語対応を公称しているが、日本語の精度は「英語会議の9割以上」に対して「日本語会議の7〜8割程度(体感)」だ。日本語会議の精度を重視するならNottaやFirefliesを比較することをすすめる。
Chrome以外のブラウザで使えるか
現時点では、FathomのChrome拡張機能が動作の基盤になっている。SafariやFirefoxには対応していない。業務用PCでChromeを使っていない場合は、FathomのためだけにChromeを入れる手間が発生する。
Fathomのデータはどこに保存されるか
公式サイトによると、データはUS(アメリカ)のサーバーに保存される。日本国内のデータ保管を義務付けられている業種・業態のフリーランス(医療・金融系など)は事前に確認が必要だ。一般的なビジネス用途では問題ない範囲だが、クライアントのセキュリティポリシーによっては使用制限がかかる場合がある。
Zoom無料プランとFathomを組み合わせて使えるか
技術的には使えるが、Zoomの無料プランは1会議40分の制限がある。Fathomの録音は会議と連動するため、Zoom側の制限の影響を受ける。40分以上の会議を記録したい場合は、Zoom Proへのアップグレードが必要になる。
Fathomはスマートフォンでも使えるか
2026年4月時点では、FathomはPCのChrome拡張機能がメインの動作環境だ。スマートフォンからの会議録確認は公式サイトにアクセスすることで可能だが、録音・文字起こしのメイン機能はPC環境が前提だ。
Fathomを使い始める前の確認チェックリスト
「とりあえず入れてみよう」と思っている人向けに、使い始める前に確認すべき5点をまとめる。
✅ PCにChromeがインストールされているか確認する
FathomはChrome拡張機能で動作する。Chrome未インストールの場合はまず導入が必要。
✅ Googleアカウントを準備する
FathomはGoogleアカウントでサインインする(2026年4月時点)。業務用Googleアカウントを使うか、個人アカウントを使うか事前に決めておく。
✅ 使用する会議ツールを確認する
Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsのいずれかであればどれも対応。WebexやCiscoなど他のプラットフォームは対応外の場合があるため、公式サイトで最新情報を確認する。
✅ クライアントへの通知・確認が必要か確認する
会議を録音・文字起こしすることをクライアントに通知する義務があるか確認する。特に守秘義務契約がある場合は事前確認が必要。
✅ 日本語会議メインか、英語会議メインかを確認する
日本語会議メインなら「Fathomだけで完結するか」を正直に検討する。日本語精度の限界を理解した上で導入するのと、期待値が高いまま入れるのでは、後から感じるギャップが大きく違う。
Fathomを無料で使い続けるための現実的な運用方法
Fathomを長期的に無料のまま使い続けるために、実際に試した運用ルールを共有する。
英語会議専用と割り切る
日本語会議とFathomの相性が中程度であることを踏まえ、「英語会議はFathom・日本語会議はNotta(またはFireflies)」という使い分けが最も現実的だった。
ツールを1本に絞ることが美しいが、現時点での言語精度の差を考えると使い分けるほうが結果として効率が上がる。Fathomを「英語会議専用の無料ツール」と位置づけることで、日本語会議の精度への不満が消える。
無料プランで使えなくなったらどうするか
Fathomの無料プランに制限を感じ始めたとき(チーム共有が必要になった・CRM連携が欲しくなったなど)の判断基準を事前に持っておくと、後の意思決定が楽になる。
- チームメンバーへの会議録共有が必要 → Fathom for Teamsへの移行を検討
- 複数会議の横断AI分析が必要 → Fireflies.ai Proを検討
- 日本語精度の向上が必要 → Notta or Firefliesを検討
- 費用をかけず英語会議だけ継続 → Fathom無料プランを継続
フリーランスのビジネス規模が変化したとき(チームメンバーを増やす・英語クライアントが増えるなど)に応じて、ツールも見直す。最初から最善のツールを選ぶ必要はなく、まず無料で試してから判断する、というアプローチがコスト最適解だ。
Fathom + Notionで会議記録を自動管理する
FathomはNotion連携に対応している。会議録が終わると自動でNotionのデータベースに追加される設定が可能だ。
この連携を使えば、「Fathomの会議録をわざわざコピーして整理する」という作業が不要になる。クライアントごとにNotionのデータベースを分けて管理している場合、会議録が自動的に仕分けられる仕組みを構築できる。
Notion連携の詳細設定はFathomのダッシュボード内「Integrations」から行える。設定は5分程度で完了する。
「議事録を後から手動で整理する」という作業をなくすだけでも、フリーランスの週に1〜2時間の作業時間を節約できる。無料ツールとNotion(無料プランで十分)の組み合わせで、この仕組みが構築できるのは費用対効果として優れている。
議事録ツールに課金する前に、まずFathomの無料プランを試してみることをすすめる。無料で試せる機会を利用して自分の会議環境との相性を確認してから、次のツール選定に進む判断が最も合理的だ。
英語会議がメインの場合は、Fathomで完結できる可能性が高い。日本語会議が多い場合は、Fathomを試した後に有料ツールへの移行を検討する流れが合理的だと思う。
合わせて読みたい
– Fireflies.aiの使い方入門:自動議事録ツールをフリーランスが実際に課金して試した
– Fireflies.ai vs Otter.ai:議事録AIツールを実務で比べてわかった本当の差
– 個人・フリーランス向け議事録ツール選定ガイド:無料から有料の選び方まで解説


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